menu

藤野北斗のBLOG

こんにちは、野沢建築の藤野です。

2026年8月、妻とふたりで、前から気になっていたタイ料理のお店に行ってきました。我が家のフクロモモンガ2匹は、いつもどおり温度を整えた部屋でお留守番です。「行ってくるね」と声をかけると、ポーチからちらっとこちらを見て、また丸くなっていました。

「片づいていないのに、居心地がいい」お店

そのお店、内装がとても賑やかでした。壁には日本の会社名が入った2026年のカレンダー、その隣にはロシア語で書かれたパタヤの観光地図。ヤモリの飾りものや、タイの男の子のイラスト、手書きのメニュー。統一感という意味では、正直バラバラです。

でも、席に座って料理を待っているうちに、なんだか妙に落ち着いてくる。「片づいていないのに、居心地がいいね」と、私は思わず妻に言いました。

理由はたぶん、置いてあるものひとつひとつに、お店の人の暮らしや歩んできた時間がにじんでいるからだと思います。誰かに見せるために飾ったのではなく、自分たちが心地よくいるために置いてある。だから、こちらも肩の力が抜けるんですね。

桜えびのパッタイと、「地元のもの」を混ぜる面白さ

頼んだのはパッタイ。運ばれてきて驚いたのが、麺の上に静岡らしく桜えびがたっぷり乗っていたことです。

本場のタイ料理に、駿河湾の桜えび。組み合わせとしては意外ですが、食べてみると香ばしくてよく合う。「よそのもの」と「地元のもの」が、無理なくひと皿になっていました。

これは家づくりにも通じる話だな、と食べながら考えていました。憧れのデザインや新しい設備を取り入れつつ、その土地の気候や、家族がずっと大事にしてきた習慣も一緒に混ぜていく。全部を借りものでそろえるより、そのほうがずっと自分たちの家になります。

家は「見せる場所」ではなく「暮らしがにじむ場所」

浜松で注文住宅を検討されているお客様とお話ししていると、「モデルハウスみたいにきれいに保てるか不安です」という声をよく聞きます。

でも私は、家は見せる場所である必要はないと思っています。あのタイ料理店のように、家族が好きなものや過ごしてきた時間が、そこかしこににじんでいる。そのくらいのほうが、帰ってきたときにホッとできる家になります。

だから間取りや性能の打ち合わせの前に、いつも「家にどんなものを置いて、どんな時間を過ごしたいですか」と伺うようにしています。高気密高断熱も、収納計画も、動線も、その暮らしを気持ちよく続けるための道具だと思っているからです。

やっぱり、帰ってきた場所が一番落ち着く

お店を出て家に帰ると、フクロモモンガたちは相変わらず、温度の落ち着いた部屋でのんびりしていました。外は8月の暑さでも、家の中の空気はおだやか。この「帰ってきたときの安心感」は、人にとっても小さな命にとっても同じなんだなと、改めて感じます。

新しいお店で美味しいものを食べる時間も大切です。でも、最後に帰りたくなる場所があること、そこが心地よく整っていること。私が野沢建築でお手伝いしたいのは、そういう家です。

家づくりは大きな決断ですが、最初の一歩は、気になるお店に入ってみるくらいの気軽さで大丈夫です。「どんな暮らしがしたいか」を一緒に言葉にするところから、ゆっくり始めましょう。

それでは、また来月。

藤野北斗

コンタクトCONTACT

ページトップへ