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松島敬人のBLOG

皆様こんにちは!工務部の松島です。
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は少し趣向を変えて、現場を離れたある日に出会った一皿のお話から、家づくりについて感じたことをお伝えしたいと思います。

口の中で「完成」するティラミス

先日、あるお店で少し変わったデザートをいただきました。「未完成のティラミス」と名付けられたそのセットは、なんとコーヒーを一切使っていないティラミスと、そのために特別にブレンドされたコーヒーのペアリングなのです。

最初は「コーヒーの入っていないティラミス?」と不思議に思いました。ところが、ティラミスを一口含み、そこに専用のコーヒーを合わせた瞬間、口の中で二つが一つに溶け合い、はじめて「ティラミス」という味が完成したのです。お皿の上では未完成。最後のひと組み合わせは、食べる人の口の中で起こる。これはおもしろい体験だと、思わず唸ってしまいました。

「引き渡し」は、本当の完成ではない

このデザートを味わいながら、私はふと、自分たちの仕事のことを考えていました。

私たち工務の人間は、お家が完成し、お施主様にお引き渡しをする日を一つの大きなゴールとして日々現場に向き合っています。基礎を打ち、骨組みを組み、仕上げを整え、隅々まで確認して、ようやくお渡しできる状態になる。そこまでは、いわば私たちが丹精込めて作り上げる「ティラミス」の部分です。

ですが、あのデザートが教えてくれたように、本当の完成はそこではないのかもしれません。お家という器が本当に「完成」するのは、お施主様がそこで暮らし始め、家族の笑い声が響き、季節の光が差し込み、生活の時間が積み重なっていったとき。最後のひと組み合わせは、お施主様ご自身の暮らしの中で起こるのだと、改めて気づかされました。

私たちがどれだけ精度高く、丁寧に作り上げても、それはまだ「未完成」。住む人がいて初めて、家は本当のカタチになる。そう考えると、お引き渡しはゴールではなく、お施主様にとっての本当の完成へのスタートなのだと感じます。

「専用のブレンド」をつくる仕事

もう一つ、このペアリングに感心したのは、ティラミスに合わせて「専用にブレンドされた」コーヒーが用意されていたことです。既製品を添えるのではなく、その一皿のためだけに調整された組み合わせ。だからこそ、口の中で完璧に調和するのだと思います。

これもまた、家づくりに通じるものがあります。野沢建築でつくるお家は、一棟一棟、お施主様の暮らしや想いに合わせた「専用のブレンド」です。間取りも、使う素材も、細かな納まりも、そのご家族が一番心地よく暮らせるように調整していく。お施主様の暮らしという「主役」を引き立てるために、私たち現場の人間や職人さんたちが裏で味を整えている。そんな関係なのだと思います。

引き渡したその先まで思いを馳せて

普段、現場で図面とにらめっこしていると、つい「いかに正確に、きれいに仕上げるか」という作り手の視点に偏りがちです。けれど、あの「未完成のティラミス」は、完成の主役は食べる人であり、住む人なのだということを、おいしく思い出させてくれました。

これからは、目の前の工事を丁寧に進めることはもちろん、その先でお施主様がどんな暮らしを重ねていかれるのか、本当の「完成」のその先まで思いを馳せながら、一棟一棟と向き合っていきたいと思います。

これからも、現場のリアルな魅力と安心感をお客様の目線でお届けしていきます。次回の現場レポートもお楽しみに!

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