皆様、こんにちは!工務部の松島です。
現場レポート、今回は「断熱工事」です。
前回の中間検査でもお話ししましたが、壁の中はボードとクロスを貼ってしまうと二度と見ることができません。断熱材もそのひとつです。でも、住み始めてからの「夏の暑さ・冬の寒さ」、そして毎月の光熱費にいちばん効いてくるのが、この工事なんです。
今回は、野沢建築の断熱工事がどんなふうに進んでいくのかをご紹介します。
断熱材は、現場で「吹き付け」ています
断熱材と聞くと、綿のような板状のものを柱と柱の間に詰めていくイメージをお持ちの方が多いかもしれません。野沢建築で採用しているのは、現場で液体を吹き付けて発泡させるタイプの断熱材です。
吹き付けた瞬間からモコモコと膨らんで、柱と柱のすき間、配線のまわり、筋かいの裏側まで、自分から入り込むようにして固まっていきます。板状のものだと、どうしても「測って・切って・詰める」作業になるので、複雑な形のところにすき間が残りやすい。吹き付けの強みはここにあります。


そして、吹きっぱなしでは終わりません。膨らみすぎて柱からはみ出した部分は、専用の刃物で削ぎ落として平らに整えていきます。
地味な作業に見えますが、これをきちんとやらないと次に貼る石膏ボードが浮いてしまい、壁が真っ直ぐになりません。仕上がりの精度に直結する、大事なひと手間です。
天井も壁も、すき間なく包み込む
削り終わった状態がこちらです。


木の下地が見えている部分以外は、天井も壁もすべて断熱材で覆われています。電気の配線が通っているところも、配線ごと包み込むように吹き付けてあります。
見た目は真っ白でモコモコしているだけですが、この厚みの中に細かい空気の泡がぎっしり詰まっていて、それが熱の行き来を止めてくれます。現場に入ると、吹き付けの前と後で空気の感じがはっきり変わるのが分かりますよ。
ボードの前に、もうひと手間「ダンタイト」
断熱材を整えたら、すぐにボードを貼る……わけではありません。その前に、壁一面に緑色のシートを貼っていきます。「ダンタイト」という防湿・気密シートです。


役割は大きく2つあります。
- 防湿……冬、暖かい室内の湿気が壁の中に入り込むと、冷たい外側で結露してしまいます。壁の中の結露は、見えないところで木を傷めます。それを室内側で食い止めるのがこのシートです。
- 気密……シートの継ぎ目やコンセントまわり、窓まわりを専用のテープでていねいに塞いでいくことで、家全体のすき間を減らします。
せっかく分厚い断熱材を入れても、すき間から空気が出入りしてしまっては効果が半減してしまいます。断熱(熱を通しにくくする)と気密(空気を漏らさない)は、どちらか片方だけでは成立しないんですね。両方そろってはじめて、エアコン1台で家じゅうが快適、という状態に近づきます。
【おまけ】サーモカメラで覗いてみました
先日、社内の勉強会でサーモカメラを使う機会があったので、冬の完成後のお住まいで冷房を効かせた壁を覗かせてもらいました。

青いところが温度の低い部分です。よく見ると、柱のある位置だけが細い青い線になって浮かび上がっています。木は断熱材よりも熱を通しやすいので、柱のところだけ温度が伝わってくる。これは正常な状態です。
逆に、もし吹き付けが足りていなければ、柱以外の壁の面にもまだらに青い部分が出てきます。普段は見えないものが「見える」のは、やっぱり面白いですね。
断熱工事は、完成してしまえば目に触れることのない工事の代表格です。でも、お引渡しのあと何十年と続く「夏涼しくて、冬あたたかい」を支えているのは、この白いモコモコと、緑色のシートです。
見えなくなるところこそ、ていねいに。次回の現場レポートもお楽しみに!
