

数年前の沖縄旅行。建物から感じた「土地に合わせる」ということ
数年前、沖縄へ旅行に行きました。
青い海、白い砂浜、鮮やかな植物。
普段暮らしている場所とはまったく違う景色に、旅行中はただただ圧倒されていました。
でも、今になって写真を見返してみると、当時とは少し違ったところに目がいきます。
それは、「建物」です。
「沖縄らしい」と感じるのは、なぜだろう?
写真に写っている赤瓦。
沖縄では昔から、赤瓦を使った屋根が特徴的な景観をつくってきました。
もちろん、沖縄の建物がすべて赤瓦というわけではありません。
それでも、赤瓦の屋根を見ると「沖縄らしい」と感じる。
なぜでしょうか。
それは、単純に屋根の色が違うからではなく、その建物が、その土地の気候や風土と結びついているからなのだと思います。
沖縄では、強い日差しや高温多湿、台風、塩害など、本土とは異なる環境条件があります。
だからこそ、建物もその環境に対してどう向き合うかが重要になります。
建物は「デザイン」だけで決まらない
住宅を設計するとき、
「どんな外観にするか」
「どんな間取りにするか」
ということを考えます。
でも、その前にあるのが、
「この場所で、どうすれば快適に暮らせるのか」
ということなのではないでしょうか。
例えば、強い日差しがある場所なら、日射をどう遮るか。
暑い場所なら、風をどう取り込むか。
雨が多い場所なら、雨水をどう処理するか。
台風の影響を受ける場所なら、建物をどう守るか。
海に近ければ、塩分を含んだ風による劣化についても考える必要があります。
そう考えると、建物の形や材料には、単なる「見た目」ではなく、その土地で暮らすための理由があることに気づきます。
住宅の図面や申請に携わっていると、どうしても寸法や数値、法規など、建物を「図面上の情報」として見ることが多くなります。
だからこそ、沖縄で実際の建物や街並みを見た経験は、改めて「建築は、その土地で人が暮らすための器なんだ」と考えるきっかけになりました。
数年前の旅行写真を見返して、今なら当時とは違う視点で建物を見ることができます。
次にどこかへ旅行するときは、景色を楽しむだけでなく、
「この建物は、なぜこの形なんだろう?」
そんな視点でも街を歩いてみたいと思います。
